平素より、私ども株式会社シー・エス・エー・ジャパンをお引き立ていただき、まことにありがとうございます。
創業者として弊社を設立された藪下幸久前代表取締役からタスキを受け取って、2019年6月1日に新たに代表取締役に就任いたしました内山智曜です。今年は、令和という時代が始まった年であると同時に、弊社にとっては創立20周年という節目の年でもあり、新たな責務に身の引き締まる思いでおります。
弊社は、原子力施設のシミュレーションとリスク評価に関する研究開発や技術開発を支援することを目的として設立された会社です。新しい技術の中でも航空機やロケットとは違い、移動しない原子力発電所には重量の制約があまり無いことから、事故を防ぐための設備を二重、三重に設置することができるため、事故が起こりにくくなっているのですが、それでも事故が起こる可能性はあります。残念ながら、原子力発電の導入から大きな事故を経験せずに来てしまった日本では、原子力発電所では事故が起こらないのではないかという錯覚が日本人全体に浸透しつつあったときに、福島第一原子力発電所の事故でそれが錯覚であり事故は起こりうるということを経験するに至りました。
いま、その経験に基づき、ハードウエアとしての原子力施設では地震や津波による不測の事態にも対処できるような設備の大幅な改良が行われつつあり、融通性の高い事故収束手段を重大事故等対処設備として備えつつあります。その一方でソフトウエア側でも、そのような設備も含めて様々な事象や事故シナリオや潜在的なリスクを包括的に解析・評価できるよう、国・研究機関・産業界において様々な解析手法・評価手法の研究開発が進められています。
弊社は、特に後者についてこれまで新たな手法や技術の調査や研究開発を支援してきた経験を踏まえ、技術的に少し難しい課題にもひるまずに挑戦する、明るく優しくまじめな技術者集団として、社員一同、今後も邁進する所存です。これからも皆様のご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社 シー・エス・エー・ジャパン
代表取締役 社長
工学博士
内山 智曜